現在、会議や個人のデスクなどで使用できる、個人ブースの利用が増えています。
しかし、その高い気密性ゆえに、知らず知らずのうちに「酸欠」や「CO2濃度の上昇」が起こり、集中力低下や体調不良を招く危険性があります。
ブースを安全かつ快適に利用するための原因、症状、そして具体的な対策を解説します。
換気扇の音を嫌って停止したり、設備が設置されていなかったりすると、空気の入れ替えがほとんど行われなくなります。人間は呼吸で酸素を消費し二酸化炭素を排出するため、新鮮な空気の供給が途絶えると、ブース内の空気環境は急速に悪化します。
特に、長時間使用する場合や、Web会議などで呼吸量が増える際は、換気能力が不足しやすくなります。
ブース内で人が呼吸を続けると、吐き出されたCO2が狭い空間に蓄積し、その濃度が急激に上昇します。空気中の酸素が十分でも、CO2濃度が約1,000 ppmを超える環境では認知機能低下が報告されています(酸欠とは別の作用)。これが、頭痛、眠気、倦怠感、集中力の低下といった体調不良の直接的な原因となります。
個人ブースや防音室は、音漏れを防ぐために非常に高い気密性を持って設計されています。この構造により、窓やドアの隙間などから自然に空気が入れ替わる「自然換気」がほとんど期待できません。空間が狭いほど、わずか一人の呼吸でも空気の質が短時間で悪化し、酸素濃度低下やCO2濃度上昇といった危険が加速します。
CO2濃度が1,000ppmを超えると、酸素濃度が十分でも認知機能に影響が出ることがあります。
具体的には、頭がぼーっとする、強い眠気(あくびが増える)、集中力や思考力の低下、倦怠感などです。これは、酸素不足と高CO2により脳への血流が増加し、自律神経が乱れることなどで起こります。
作業効率が明らかに落ちたと感じたら、この段階にある可能性が高いです。19.5%未満は酸素欠乏とされ、16%前後で注意力・判断力の低下、12%付近で頭痛・吐き気・意識障害などの深刻な症状が起こり得ます
酸素濃度が低下し(12%未満など)、CO2濃度が極端に高くなると、身体の防御反応が強く現れます。息苦しさを覚え、脈拍や呼吸数が明らかに増加します。
さらに症状が進むと、激しい頭痛、めまい、吐き気、筋力低下、判断力の低下、酩酊状態といった症状が現れます。
この状態になると安全にブースから出ることも難しくなり、放置すれば意識喪失や昏倒、最悪の場合は命に関わる危険な状態へと急速に進行します。
ブースに装備されている換気扇や換気システムは、利用中は絶対に停止せず常に稼働させましょう。防音のために音が気になる場合でも、酸欠やCO2濃度の上昇による集中力低下の方が深刻です。
休憩時など作業を中断する際は、必ずブースのドアを開けて、新鮮な空気をブース内に取り込む「こまめな換気」を習慣化してください。高性能な換気能力を持つブースを選ぶことも重要です。
体調の変化を待つのではなく、CO2センサーをブース内に設置し、濃度を常にチェックしましょう。室内のCO2濃度が1,000 ppmを超えたら、直ちに換気が必要なサインです。
濃度を可視化することで、利用者が自身の安全基準を客観的に把握し、適切なタイミングで休憩や換気を行う習慣が身につき、集中力の低下を未然に防げます。
たとえ換気扇を回していても、ブース内のCO2濃度が急上昇することはあります。頭がぼーっとする、集中力が切れる、強い眠気を感じるといった軽度の症状は、身体が酸素不足を訴えている重要なサインです。
これらの変化を感じたら、「もう少しだけ」と我慢せず、すぐにブースを出て新鮮な空気を吸い、数分間休憩することが、体調悪化や重大な事故を防ぐ最良の防御策となります。
個人ブース利用での酸欠を防ぐためには「換気」が大切です。高い気密性ゆえに、CO2濃度はすぐに上昇し、頭痛や集中力低下を引き起こします。
酸欠を防ぐためには、換気設備の常時稼働と、1,000 ppmを目安にしたCO2センサーの活用が非常に有効です。また、少しでも眠気や倦怠感を感じたら、我慢せずにブースを出て新鮮な空気を吸う習慣が重要です。
これらの対策を徹底し、安全で質の高い集中環境を維持しましょう。
選定条件
「ワークブース」「個室ブース」「テレワークボックス」「リモートワークボックス」のGoogle検索で見つかったフルクローズ型のワークブースを取り扱う41社の中から、下記条件で選出。(2023年1月11日時点)
ワークブースでの作業効率を高めたい会社向け…CAP-CELL:41社のうち唯⼀特許取得のエアコン機能搭載
大きな会議室の使用効率を高めたい会社向け…TELECUBEbyokamura:41社のうち4⼈ブースのラインナップ最多
手軽に移動できるブースを設置したい会社向け…Easy Booth:41社のうち軽量で個室ブースの公開価格が最安
作業環境重視
充実の設備を搭載したワークブース
引用元:株式会社オリバー公式HP
(https://place2-5.oliverinc.co.jp/office_furniture/products/swb-f750s4/)
株式会社オリバーの「CAP-CELL」「CAP-CELL Lite(カプセルライト)」は、いずれも遮音性のある完全個室空間で集中できる環境を提供し、さらにダウンライトなどリラックス効果を高める内装デザインを施しています。標準設備の換気扇に加え、オプションでエアコン付きソファを導入すれば、長時間の使用や暑い夏でも快適に作業に取り組むことができます。
| 収容人数 | 1人用/2人用/4人用 |
|---|---|
| サイズ | 1人用:W1,200・D1,200・H2,370 2人用:W2,400・D1,200・H2,370 4人用:W2,000・D1,600・H2,370 |
| 設備 | 住宅用下方放出型簡易消火装置、ダウンライト、AC電源+USB+スイッチ、換気扇、アジャスター+キャスター、コートフック |
サイズ重視
使用人数に合わせたワークブース
引用元:株式会社オカムラ
(https://www.okamura.co.jp/office/lp/workbooth/)
株式会社オカムラのワークブース(TELECUBE/SnowHut)は、周囲からの雑音・雑念を排除して、自分の仕事や作業に集中したい人におすすめです。「TELECUBE by okamura」「SnowHut」は、いずれも防音対策・防視対策が図られており、周りの話し声や騒音、視線を気にせず1人の業務に集中できます。
| 収容人数 | 1人用/2人用/4人用 |
|---|---|
| サイズ | 外寸:1000W×1200×2325H(1人用) |
| 設備 | 遮音性・防火性、グラスウール内蔵、換気ファン、人感センサー、抗ウイルスメラミン仕様 |
価格重視
とにかく安いワークブース
引用元: 株式会社CONOC公式HP
(https://workbooth.conoc-dx.co.jp/)
CONOCが提供するEasy Boothは、ワークブースを手軽に導入したい人におすすめです。ダンボールを使用したブース本体は総重量が約40kgですから、設置や移動がラクラクなのはもちろん、設置後のレイアウト変更も容易になります。
| 収容人数 | 1名 |
|---|---|
| サイズ | 外寸:幅1270mm×高さ1900mm×奥行900mm |
| 設備 | デスク・電源・照明・換気ファン |